建設業界は今後、働きかた改革に伴い働きやすい環境作りのため環境の整備が問われます。
そこで、今回はそれらに伴い、業界としての在り方について要点をまとめてお伝えします。
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適正な工期、長時間労働の改善
働き方改革における大きな変化と言っても過言ではありません。2024年度からは残業時間の制限が従来のものより厳しくされます。
この変化から、上限規制を上回る内容での契約では「著しく短い工期」とみなされ、建設業法違反になる恐れがあります。
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建設業法(著しく短い工期の禁止)
第十九条の五 注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。
この問題は、単なる1日のうちの残業時間ではなくもちろん就業日数にも関係があります。
それは、業界的には現状あまり浸透していない週休2日制です。
業界は他の業界と比べるとまだ年間出勤日数が多く、実労働時間が長い状況となってるのが現状です。
週休2日の導入は働きやすい環境の改善にもつながるとされています。
将来の建設業界の担い手である若手の雇用促進にもつながるとも言われています。
現在もなお、人手不足業界である建設業界ですので、人材の確保は長い目で見れば人件費の高騰を防止することにもつながります。
建退共(建設業退職金共済制度)
建退共(建設業退職金共済制度)は、建設業界で働く従業員が働いている会社を辞めた際の積み立て型の退職金制度のことです。もちろん従業員だけでなく、一人親方としても加入ができます。
また、建設工事の請負金額に応じて確実に反映される仕組みで、退職金も直接本人に支払われるといった仕組みです。
建設労働者の適正な退職金の確保の制度とも言えます。将来的には、建設業のキャリアアップシステムとも連携され、より確実なものへとなるようです。
退職金制度は、やはり労働者にとってはメリットの一つであり、先述の若手雇用のように人手不足の解消の1つともなりえます。
キャリアアップシステムの導入
キャリアアップは別ページでも紹介しておりますが、建設業の労働者の就業履歴の蓄積をデータしていくものです。
労働者が、どのような資格を保有しているか、業界の経験年数はどれくらいなのか、「誰が」「いつ」「どこで」「どのような」工事をしてきたのかなどの情報が蓄積されるシステムのことです。これによって、業界全体の透明化が望まれます。
現在、建設業者、国ともに官民一体となり、システムの導入に力を入れています。
先述の建退共についてもそうですが、2023年8月からは、キャリアアップの導入状況について経営事項審査(経審)での加点項目にもなりました。
やはり、今後の建設業界はキャリアアップシステムは普及していく流れになるのではないのではないでしょうか。
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まとめ
このように、建設業界の今後の在り方として現在、考えられるものとしては以上のとおりです。しかし、正直多くの中小企業や個人事業主の場合は、人員確保や経費の面など多くの問題があります。人員不足な現状では、なかなか労働時間の削減は難しいですし、建退共やキャリアアップの導入にはやはりコストもかかります。
今後の業界の流れに合わせた長期的に見た経営、運営を考慮していく必要があります。
長い目でみれば、自社の成長の一手ともなりえます。
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