令和6年12月13日改正の建設業法に伴い、監理技術者等の専任性に関する内容が一部見直されました。
従来、監理技術者の専任が求められる工事において一定の要件を満たす監理技術者補佐を現場配置することにより兼任が可能でした。
この監理技術者のことを特例監理技術者と呼んでいました。
今回の建設業法改正に伴い、特例の監理技術者等が新たに「専任特例1号」「専任特例2号」と分別されました。
参照:国土交通省HP
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主任技術者及び監理技術者とは
そもそも前提に、主任技術者及び監理技術者とは、工事現場における建設工事を適正に実施するため、
当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督することが職務とされています。
また、工事現場における建設工事の施工に従事する者は、主任技術者又は監理技術者がその職務として行う指導に従わなければなりません。
(建設業法第二十六条の四)
専任特例1号とは
通常、4,000万円以上の請負工事の場合は現場の専任性が求められます。
基本的には、建設業法第26条第3項をご参照ください。
今回の建設業法改正により対象となる請負金額が一定の条件下において従来の4,000万円から1億円まで拡大されました。
こちらのページもご参照ください。
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【法改正2024.12.13】建設業における技術者の専任義務の合理化 緩和について
技術者の専任義務 近年、工事現場におけるデジタル技術の活用(タブレット端末を通じた工事関係者間における設計図面や現場写真などの共有や、 現場作業員が装備するウェアラブルカメラなどを通じた監理技術者等と ...
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その際に本来、専任性が求められる主任技術者、監理技術者が他の現場と兼任をする際の現場との連絡要員として技術者を配置する必要がございます。
つまり、現場を兼任して1つの現場から離れることとなる際は他の技術者の配置をすることで本来専任しなければいけない現場で兼任が可能となりました。
この際の主任技術者、監理技術者のことを「専任特例1号」と呼びます。
連絡要員とは
さて、先述のように主任技術者、監理技術者との連絡要員として技術者の配置が必須ということですが、配置すべく連絡要員について以下にまとめました。
連絡要員
・建築一式工事、土木一式工事の場合は、当該建設工事と同業種の建設工事に関し実務経験1年以上
・実務経験の内容は一般建設業許可でいう営業所技術者(専任技術者)における実務の経験として認められる経験の考え方と同様
・同一の連絡員が複数の建設工事の連絡員を兼務することは可能
・1つの建設工事に複数の連絡員を配置することも可能
・当該建設工事への専任や常駐は求めない
・直接的・ 恒常的雇用関係は必要ない(ただし、施工管理の最終的な責任は請負会社が負う。また、下請け業者からの配置は不可)
専任特例2号とは
専任特例2号については、監理技術者は専任を要する工事を兼務できることとされており、適用にあたっては、適正な施工の確保を図る観点から、当該工事現場ごとに監理技術者補佐を専任で置かなければならない(法二十六条第三項第二号)。とされております。
つまり、監理技術者の専任を要する工事にあっては従来と変わらず、連絡要員には監理技術者補佐をおかなければなりません。
従来の専任特例がこちらの専任特例2号に当たります。
また、同一の監理技術者又は主任技術者が、専任特例1号を活用した工事現場と専任特例2号を活用した 工事現場を兼務することはできないともされています。
人員の配置の計画書
当該建設工事を請け負った建設業者が、次に掲げる事項を記載した人員の配置の計画書を作成し、工事現場毎に備え置くこと。また、当該計画書は5年間又は10年間営業所で保存しなければならない。(建設業法施工規則第二十八条)
との定めがあるように、専任特例を使用した工事については帳簿の記載、保存に努めましょう。
イ 当該建設業者の名称及び所在地
ロ 主任技術者又は監理技術者の氏名
ハ 主任技術者又は監理技術者の一日あたりの労働時間のうち労働基準法第三十二条第一項の労働時間を超えるものの見込み及び労働時間の実績
ニ 各建設工事に係る次の事項
(イ)当該建設工事の名称及び工事現場の所在地
(ロ)当該建設工事の内容(法別表1上段の建設工事の種類)
(ハ)当該建設工事の請負代金の額
(ニ)工事現場間の移動時間
(ホ)下請次数
(ヘ)連絡員の氏名、所属会社及び実務の経験(実務の経験は、土木一式工事又は建築一式工事の場合に記載)
(ト)施工体制を把握するための情報通信技術
(チ)現場状況を把握するための情報通信機器
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