建設業キャリアアップシステムとは、
技能者個人の過去の就業状況や保有資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化等につなげるシステムです。
このシステムに登録をすることで、技能者ひとり一人に一枚のICカードが割り当てられます。
そのICカードに過去の就業状況であるとか、保有資格を登録して、技能者の評価がより正確にされることが可能なのです。
具体的には、いつ、どこで、どこの現場で、どんな職種で、どんな職名での就業があったのか、保有している資格はどんなものがあるのか、研修等はいつ受けたのかといった内容が電子的に保存されます。
そしてさらには、昨今、建設業界における人手不足が懸念されています。
そこで国は建設キャリアアップシステム(CCUS)を作り、建設業界の環境の整備をすることで
人材確保に注力しようとしているわけです。
実際の建設業界の若手が求めるものとして、下記の事項が挙げられます。
1 週休二日の制の推進
2 仕事が年間を通してあること
3 能力や資格を反映した賃金(厚生労働省「R2建設業における雇用管理状況把握実態調査」)
一人ひとりの職人の適正な評価とともに賃金を改善し、
職人を育てる企業も、しっかりと客観的評価され、職人、事業者ともに環境を整備していくことが建設業界の全体の底上げに繋がるのではないでしょうか。
システム化することにより、技術者や事業者を客観的に評価できます。
所属する職人の技能レベル(所属する職人ひとり一人にカードが交付され4段階評価される)や、
技術者の人数、育成状況等の評価につながり、その内容も各評価団体や国土交通省のHPで誰でも見ることができます。
また、事業者としての視点においても、作業員名簿の管理、勤怠情報、建退共の手続きなども行えることから、煩雑な事務の効率向上にも繋がります。
このように業界の可視化によって、職人が適正な環境で働くことができ、公正な評価も得られます。
システムの導入にあっては、多少のコストはかかってしまいます。しかし、今後の業界的にも、人手不足解消として若手技術者の確保が大きな成長要素となります。
また、公共工事を視野に入れている、または経審の評点アップを考えている事業者も評価対象となっています。さらに、若手技術者の確保、新規職員の確保も経審の評点に影響をもたらします。
そういった意味でも、大変重要な制度とも言えます。
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